陣馬山麓アトリエ展 vol.21
毛糸担当として参加しました。
まだ肌寒い4月の上旬。
「栗のイガで染めました。」
そんな連絡があり、数日も経たないうちに、
煙で燻された毛糸が届きました。
毛糸は、薪ストーブの上に吊るして乾かしたらしいのです。
(その風景を想像しただけでも楽しい。)
上々の染め上がりをすぐに伝えたい。
毛糸の香りは、そんな気持ちを移していました。
この気持ち、いえ、毛糸でどんなターバンにしよう。
まずは、竹沢さんが気にってくれたかのこ編みのターバンをひとつ編みました。
その後も、くず、よもぎ、びわ
高尾の山歩きで見つけた草木で染めた毛糸が届きました。
くずとよもぎはとても鮮やか。
この色を生かしたい...。
そんなとき、古い写真・ガンジーセーターを着た漁師の写真を思い出ました。
今は、ファッションとして日常で着られているガンジーセーターは
かつて漁師の作業着だったらしいのです。
胸のところまで模様が施されているものが多いく、
漁に出る息子または夫の無事を祈って
代々伝わる編み模様が編まれていたとも言われています。
表目と裏目。
棒編みの基本の編み方だけれども、
模様の組み合わせは永遠。
マス目を埋めるように表目と裏目の組み合わせを考えました。
ターバンの模様はぐるりと一周。
同じ模様が出てこないターバン。
穏やかな海の波のような。
微かに浮きあがる模様です。
組み合わせを変えて、ひとつ、またひとつ。
編みました。